2022年2月、右前脚がぐにゃりと曲がった黒猫を保護しました。レントゲンの結果、骨が粉々になっていることが判明。炎症もひどく、断脚という診断になりました。
シェルターのおかげで入院費などは抑えることができましたが、それでも手術代を含む治療費が高額になってしまいました。この子がこれからも安心して過ごせるように、また今後も継続的に不幸な野良猫を助けていけるように、治療費のご支援をお願い致します。
【はじめに・経緯】
ページをご覧くださりありがとうございます。
長野県佐久市在住のshironekoです。
コロナ禍になり東京を離れ故郷に戻り、それを機に地域猫活動を始めました。保護猫団体のボランティアの皆様にアドバイスとご協力をいただきながら、自宅付近に来る野良猫を1匹ずつTNRしています。
今年2月はじめ、敷地内に設置していた見守りカメラに見慣れない黒猫が映りました。右前脚がグニャリと曲がっていて、映像をみた瞬間ドキッとしました。幸い翌日保護して診察に連れて行くことができました。
触診の結果、脚はおそらく骨折。炎症も進んでいて、見た目よりも悪い状態でした。検査や手術をすると15万円位はかかるだろうという見立て。大きな金額なのでたじろぎましたが、そこで見捨てるわけにはいかず、その場で治療の継続をお願いしました。
レントゲンでは右前脚の付け根のあたり何箇所も骨折していることがわかり、やはり断脚手術となりました。おかげさまで手術は無事に成功し、今は保護団体のご好意でシェルターに置いてもらい療養しています。
今回は治療費が高額なため、初めてクラウドファンディングという形で皆様へ支援をお願いする次第です。野良猫・外猫は病気や怪我が多く、TNRや保護する猫達の治療費・薬代など経済的負担も日頃から少なくない中で、今回の断脚手術。今後も外猫たちを助けていくことができるよう、何卒ご協力いただけますようお願いいたします。
【プロジェクトの内容】
保護した黒猫を治療し、回復させ、里親を探します。
現在は治療はほぼ終わり、シェルターで療養させてもらいながら回復しているところです。完全に回復したらいつまでもシェルターには置いてもらえません。3本脚にも慣れて、人にも慣れてきたら、ずっと一緒に過ごす家族を見つけてあげたいと思っています。今現在はまだ人に怯えてしまう状態ですので、シェルターで皆にお世話してもらいながらとにかく人に慣れてもらうのを待ちます。
健康な子猫でも里親を探すのには苦労しているそうなので、3本脚の元野良の成猫(しかも猫エイズ陽性)となると里親探しは相当難しいと言われました。でも3本脚になった子をまた外にリリースするのは忍びなく、残りの猫生を安全に安心して暮らせるような家族を探して行きたいと思います。
【プロジェクトの経過】
<出現>
2022年2月1日、自宅敷地内に作っている地域猫のための餌場で、1匹の黒猫が見守りカメラに映りました。全身黒の猫は既に1匹いるのですが、周囲を警戒していて、前右脚が明らかにおかしい曲がり方をしていたので、いつもの子とは違うこの日初めて来た猫だと思いました。通常の外猫達は、ご飯を食べに来ても短時間でさっと食べていなくなりますが、この黒猫は周りを警戒しながらも、朝9時過ぎから午後1時過ぎまで、4時間近くも付近に留まりご飯を食べていました。後からフードを見に行きましたが大して量は減っていなかったので、うまくご飯が食べられずにいたのだと思います。
<保護>
翌日はちょうど、お世話になっている保護猫団体が設けている野良猫の診療・去勢避妊手術日でした。あの右前足がぐにゃりと曲がった黒猫が現れてほしいと願いながら、朝捕獲器を設置したところ、昨日と同じく午前9時過ぎにあの黒猫が現れ、あっさりと捕獲器に入ってくれました。
診察してもらったところ、右前脚の内側には数カ所外傷があり、そこから出た膿が脚全体を覆って濡れたようになっていました。骨折か脱臼、おそらく骨折だと思うが、正確にはレントゲンをとらないとわからないとのこと。炎症の具合もひどいので、骨折だとしたらおそらく断脚になるだろうという診断でした。
設備の整った病院で検査をして手術・治療するには、大体15万円くらいはかかるだろうという見立てで、どうするか私が決断しなければいけなくなりました。お金をどうしよう、とためらう部分はあったものの、目の前で大怪我をしている猫をそのまま放置することはできず、病院での検査・手術をその場でお願いしました。
この日は去勢手術と外傷治療(抗生剤注射)、シラミがいたので寄生虫駆除をしてもらいました。真っ黒のはずの毛色も茶色になっている部分があり、栄養状態が悪かったようです。

右前脚の内側全体が膿で濡れています お腹にも傷
<手術>
手術室のスケジュールの都合で、手術日は2月7日と決まりました。それまでの間は、保護猫団体のご好意により、入院費を節約するため保護猫シェルターに置いていただき安静に過ごしてもらいました。あんな怪我をしているのに食欲はあり、毎日ドライもウェットもよく食べてくれました。排泄も快調。たくさん栄養をとってもらって手術に備えました。ただ人がいるときはいつもケージの中のキャリーケースの奥で丸まっていて、誰も鳴き声を聞いたことがなく、とにかく静かにじっとしていました。
手術日当日。レントゲンの結果、右前脚の付け根が粉々と言えるほどあちこち折れていたことがわかりました。状態・状況を総合的に判断して、やはり断脚ということに。肩の上から右前脚を切断となりました。幸い手術は無事に行き、その後はまたシェルターで当面の間療養させてもらうことになりました。
こちらが担当してくれた獣医さんによる報告です。
[治療経過報告]
2022年2月2日、TNRの為に捕獲された猫に右前肢の挙上が認められたため鎮静下で触診、皮下の膿瘍と肩関節脱臼または上腕骨骨折を疑診。長期作用型抗生剤の投与と去勢手術のみ実施した。
2月7日、レントゲンにて上腕骨の粉砕骨折及び骨壊死を疑う所見が認められたため断脚術を実施した。

右前脚のレントゲン画像 うつ伏せと仰向けの状態
手術中の写真もありますが、生々しいので、ここには掲載するのは控えます。
ちなみにレントゲンでは後ろ足も骨折していたことが判明しましたが、そちらはすでに自然治癒していました。またこの時の血液検査で、FIV+(猫エイズ陽性)であることが判明しました。
<術後>
引き続き保護猫団体のご好意に甘え、術後もシェルターで療養させてもらっています。特別なケアを必要とする猫達がいる特別ルームに入れてもらい、ケージの中で大人しく過ごしています。手術の翌日だけは3本脚でうまく歩けなかったのか、ご飯やお水を入れたボウルがひっくり返っていましたが、2日目以降は元の通り、毎日きれいに快食してくれています。相変わらずニャンともスンとも鳴かず、人がお世話するときはキャリーケースの奥に丸まってじっとしています。でも見守りカメラの映像を見ると、人がいないときはケージの中を動いている様子がうかがえます。

術後5日目

術後9日目
★命名:小四郎(こしろう)
ボランティアの皆から黒ちゃんと呼ばれてきた黒猫ですが、黒ちゃんと呼ばれる黒猫が他にもいることから、名前をつけることにしました。パッと思い浮かんだ中から、小四郎に決定!そうです。今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主人公の名前です。大きな怪我にも手術にもじっと耐えておとなしくしている子ですが、ドラマの小四郎のように、苦境にめげずたくましく生きて末長く皆に愛されるようにと願いを込めました。

術後14日目
<経過観察>
手術からおよそ2週間経った2月23日、傷の様子を診てもらいました。一部分化膿している部分があったので洗浄して抗生剤を数種類注射。それ以外は問題なく回復しているそうです。よかった!今までの様子から、小四郎はおとなしいようなので、経過を見るたびに全身麻酔をするのは体にも負担がかかるから、これから人に触れられる訓練をして、外から目視で傷口の状態がわかるようにしましょうと獣医さんにアドバイスいただきました。

術後21日目 キャリーケースに代わりベッドになりました
<回復中>
相変わらず一言も声を発せず、まだ誰も小四郎の鳴き声を聞いたことがありません。でも人がいないときはちゃんとご飯をもりもり食べて排泄も問題ないので、身体は大丈夫なはずです。ただ極度に怖がりで、キャリーケースを外してベッドになった分少しケージの中が広くなったのに、隅っこで毛布の下に潜ってしまいます。そしてはだけた毛布でご飯のトレイがひっくり返ってしまうため、やはりまだ隠れる場所があった方がいいのだろうと、ケージの中にまたキャリーケースを戻しました。野良猫が人に慣れるには年単位の時間がかかることもあるそうです。だから焦らず、ゆっくりと小四郎のペースに合わせていきます。いつか優しい里親さんに出会えるように、少しずつ人に慣れていこうね、小四郎。

術後23日目
【支援金の用途・内訳】
・これまでにかかった治療費合計 約15万円(14万9160円)
(下記診察明細参照 去勢手術代は除外しています)
・今後のために確保しておきたい治療費予備費 1.5万円
・当面のフードや消耗品代 1.7万円
・クラウドファンディング手数料9% 1.8万円
合計20万円(目標金額)
目標金額を上回る資金をご協力いただいた場合も、全額を、シェルターにいる他のたくさんの猫達の治療費やフード代に使わせていただきます。
お寄せいただく資金は100%猫のために大切に使います。

診察明細1 初診

診察明細2 手術

診察明細3 経過観察
【リターンについて】
資金は100%猫のために使いたいので、リターンとしては、小四郎のその後をご報告する写真やレポートをEメールにてお送りするのみとさせていただきます。システムの関係で金額毎にリターン品の表記が違いますが、内容はほぼ同じものです。何卒ご理解をお願いいたします。小四郎が3本脚で走り回る姿も、いつかお見せしたい。長い時間がかかるかもしれませんが、どうぞ楽しみにしていてください。
またもし目標金額を上回る金額が集まった場合は、シェルターにいる他の猫達の治療費やフード代にも使わせていただきますので、他の猫達のレポートも追加致します。レポートには会計報告も含めます。
今小四郎のいる特別ルームには常時10匹以上の以上の猫が居ます。大部屋にいたけど弱って移ってきた子、病気の子、怪我をしている子、子猫、虐待を受けていた子ー。毎週のように新たな猫が運び込まれます。そして残念ながらここからお空に旅立っていく子もいます。せめて安心してお腹いっぱい食べて快適に過ごせるよう、ボランティアが交代で毎日お世話をしています。
特別ルーム以外にも、まあまあ健康だがもう里親探しは難しい成猫達がシェルターには何十匹といます。どの猫も過酷な環境を生き抜いてきた子ばかりです。症状が悪化し治療が必要になる猫もたくさんいます。お寄せいただきます支援金は、100%猫達のためだけに使わせていただきます。

小四郎と仲間たち
【実施スケジュール】
2022年2月 保護・治療
2022年3月〜 療養・人慣れ訓練中
怪我からも完全に回復し、人にも慣れてきたら、里親探しを始めます!
これまでの様子を見ても、人慣れするには相当長い時間がかかる予想です。
どうぞ気長に見守ってください。

隅っこでブランケットに潜り隠れてしまう小四郎
【おわりに】
怪我している猫の保護。一人ではどうすることもできませんでした。
幸い昨年、相談した市役所から保護猫団体さんを紹介していただいていたので、今回は迅速に保護して治療することができました。
保護猫団体さんがいてくれて本当に感謝しています。そこはたくさんのボランティア達によって活動が成り立っています。今回のプロジェクトが成功したら、本当に困った時にはこんなに助けてくれる人が全国にいるのだという心強い先例になるのではないか、そしてそれはギリギリで活動しているボランティアにとっては大きな支えになるのではないかと、密かに思っています。
ボランティアは自分の意志で任意で行う活動です。仕事の合間に、できる範囲で。とは言いつつも、助けを必要としている猫がいたら無理してでも動かないわけにはいきません。ボランティア一人一人がこんなに時間と労力とお金をかけて活動しているのか、と知れば知るほど頭が下がります。
不幸な猫を1匹でも救いたい、そんな思いだけで動いている人々のパワーは素晴らしいのですが、同時に個人にかかる負担や心労も見過ごせないとも思いました。負担を背負いすぎたら活動は続けられません。
この佐久市近郊では、まだまだ不幸な猫達の相談が後を絶ちません。道のりは長いですが、でも確実にたくさんの命が救われているのも事実です。世の中を変えるのは時間がかかるけど、でも何もしなければ変わる可能性も生まれません。私もこれから先輩ボランティアの方々を見習い、長期にわたり動いていきたいと願っています。
動物の保護活動をされている方は全国にはたくさんいらっしゃいます。皆さんそれぞれの場所で一生懸命に活動していると思います。その中でどうしてこのプロジェクトを?と思うかもしれませんが、こうしてこのページをご覧いただいたのも何かのご縁です。どうかこのご縁をつないでいただけたらありがたいです。
一緒に小四郎の幸せな姿を見届けてください。
どうぞよろしくお願いいたします。

幸せになろうね 小四郎